新人教育などで、新入社員に仕事を教えたことがある人は、
「何でこんなこともできないのだろう」
「何でこんなことも知らないのだろう」
と、新人さんに対して感じたことはないですか?
この状態は、自分が初心者だった頃がどんな感じだったかを完全に忘れている、もしくは覚えていたとしても、うまく想像できなくなっている証拠です。
つまり、聞き手の気持ちが、分からなくなってしまっているのです。
人間は何かを知ると、それを知る前の自分を思い出せなという性質を持っています。
自分の知識がその分野において詳しくなれば詳しくなるほど、使う用語もどんどん専門的になって行きます。
さらには、相手へ伝える内容が抽象的になって行きます。
”相手がそのことを知っている”という思い込みで話してしまうからです。
将棋の「飛車」がどう動けるか、よりも将棋の戦略そのものを語りたがります。
自分の知識と、他人の知識を共有するのは非常に難しいものなのです。
この概念を持っていると、顧客に対しての商品の説明やサービスの案内をどのようにすればいいかが分かってきます。
例えば、あなたが衣服関係のハンドメイド作品を作って販売しているとしましょう。
日頃から作品制作をしているあなたにとって、衣服の素材やサイズ感に関しては、勉強もしているので十分な知識を持っています。
常にそ商品を扱っているので、それが当たり前のように感じています。
ですが、お客さんは素人ですので何も分かりません。
ここで1つ覚えておいて欲しいことがあります。
それは、「伝えたいことは小学生でも理解できるように説明する」ということです。
どうしてもデザイナーやクリエイターなどの専門家は、相手がすでに知っている「テイ」で物事を話してしまいがちです。
中には自分の知識をひけらかす人もいます。
ここは、あなたも初心に戻ったつもりで、相手を小学生だと思って作品を説明してあげましょう。
さらに慣れてきたら、たま~に専門的な言葉や単語を使ってアピールするというのがコツです。
小学生でも分かりやすい説明の中にも、たまに専門的な言葉や単語を使うことで、「やっぱりこの人は詳しい人だ」と感じてくれるようになります。
抽象的と具体的を例えて言うと、「高級品」は抽象的ですが、ロレックスやフェラーリは具体的です。
サービスで言うならば、「一流の顧客サービスを目指しております。」という抽象的な伝え方ではなく、「プレゼント用にギフトラッピングをしてお届けしています。」というように具体的に伝えることが大切になってきます。
参考にしてみてください。