ハンドメイド作品を販売しているデザイナーやクリエイターなどのハンドメイド作家さんは、作品ページを作る際に、大きなミスを犯しています。
それは、お客さんのベネフィット(メリット)を書くべき大切なところで、作品の概要や特徴を書いてしまっているということです。
お客さんがあなたの作品を見たにも関わらず、素通りしてしまう理由、、、
それは「なぜ私がそれを買わなければいけないのか?」を書いていないからです。
広告の業界では昔から「メリットのメリットを述べよ」という言葉があります
これはとても大切な概念なので覚えておいて欲しいのですが、『商品はお客様にとって壁』と考えるようにしてください。
お客さんが本当に得たいものは、商品によって得ることができるその先の結果であり、「あなたの商品ではない!」ということです。
【人→作品→得られる結果】
この図式を必ず覚えておいてください。
例えば、ホームセンターなどに売っている電動ドリルを想像してみてください。
電動ドリルを購入する人は何を目的として、お金を払って購入しているのでしょうか?
電動ドリルという「モノ」が欲しいのでしょうか?
いえ。「穴」という結果が欲しいのです。
つまり、『お客さんは直径0.6cmの電動ドリルが欲しいのではなく、子供の写真をかけるための直径0.6cmの穴が欲しい』のです。
ここでデザイナーとマーケッター(販促に詳しい人)の考え方の違いを比較してみたいと思います。
デザイナーやクリエイターなどのハンドメイド作家さん、いわゆる職人気質の方たちは、どうしても作品のデザイン性や品質、クオリティにフォーカスしがちです。
これは企業でいうところの商品開発者も同じです。
買い手の欲求やベネフィット(メリット)を深く考えられず、作品をアピールする際には、作品概要など作品中心に書いてしまうのです。
逆にマーケッターは、相手の満たしたい欲求やベネフィットにフォーカスしています。
- どういった場面で使っているか →例:デートやランチ
- 誰と一緒にいるか → 例:主婦友達や彼氏
- どのような場所で使うか →例:家、学校、職場
など、具体的なシチュエーションを考えることができるのです。
なので、その作品の由来や歴史、どのようなメリットやベネフィットがあるか、どのような欲求を満たせるかなどを、文章にすることができます。
ちなみに私も長い間、デザイナーやクリエイター思考でした。
当然のようにデザイン性や品質にこだわった文章の書き方を続けていました。
面白いことに、これは作品写真にも現れてくるのです。
最近では写真の撮り方を教えている教室なども多く存在しています。
ですが、何もアドバイスを受けていなデザイナーやクリエイターが好きなように撮影すると、マーケッターが撮影した写真との間に大きな違いが出てくるのです。
例えば、デザイナー・クリエイター思考の人が作品写真を撮影すると、かなり作品に寄った写真になります。
必ずしも、これが間違っているというわけではありません。
ですが、作品単体の、物撮りの写真など「物」や「その部分だけ」になりがちです。
それに対してマーケッターが撮影すると、引きの写真の数が極端に増えてきます。
その作品をどのような場所や場面で使用しているか、シチュエーションが見て分かるような写真の撮り方をしているのです。
これは少し難しい言葉でいうと「俯瞰」して物事を認識できるか、という事に繋がってきます。
つまりは「木を見て森を見ず」状態で
(デザイナー → 虫の目)
(マーケッター → 鳥の目)
ということなのです。
この考え方を取り入れることができるようになれば、写真や文章で、お客さんの感情に訴求するような作品アピールができるようになります。
「このアクセサリーを着ければ、誰でも可愛くなれます。」
ではなく、
「このアクセサリーを着ければ、あなたも可愛くなれます。」
といったように・・・
販売者の多くの人が、「お客さんの全員が書いた文章を読んでくれている」と、思い込んでいます。
ですが、お客さんの全員が最初から最後まで、すべての文章を読んでいるとは限りません。
むしろ、現代のお客さんのほとんどが文章を読んでいません。
商品説明に書いてあるにも関わらず、書いてある内容を問い合わせてくることはよくある話ですから。
ハンドメイド作家に必要なこと
ハンドメイド作家を続ける上で絶対に必要になってくることが「ブランディング」をすることです。
おそらくブランディングをしなければ、これからハンドメイドの業界だけではなく、
何かを販売するという商売の世界で生きていくことは難しいです。
多くの人に作品を知ってもらい、そして多くの人に購入してもらうには
まずはあなたのことを知ってもらう必要があります。
ネットショップの売り上げアップのためにも、今から少しずつブランディングについて知識を深めていきましょう。