ネットショップの価格設定 その3
松竹梅の法則とは?
今回はネットショップの価格設定についてご紹介したいと思います。
価格設定を考えるときに、よく用いられる考え方として「松竹梅の法則」というものがあります。
別名、ゴルディロックス効果とも呼ばれています。
これは、3つの価格の選択肢がある場合に、真ん中に位置する価格商品を選びやすいという行動心理のことをいいます。
例えば、レストランでディナーをする例をとってお話していきましょう。
コース料理に松、竹、梅の3つの価格が設定されているとします。
- 松→3780円
- 竹→2370円
- 梅→1480円
この3つ価格設定がある場合、多くの人は真ん中の「竹コース」を選びます。
1480円よりも2370円のほうが売れやすく、比率では「松=2:竹=5:梅=3」と、言われています。
松竹梅の名前の由来は、お寿司屋さんやうなぎ屋さんが「松竹梅」で価格を分けていたことから松竹梅の法則と呼ばれるようになったそうです。
この心理には、まず一番高い商品に対して、「贅沢はできない」と考え、一番安いものに対しては、「ケチや貧乏だと思われたくない」という見栄を張る心理が働きます。
つぎに、安いものよりも高いもののほうが品質が良い、つまり「高価=高品質」という思考が働きます。
『安物買いの銭失い』ということわざがあるように、人には値段が安いものは品質が悪いという考えが働きます。
特に初めてお店を利用する人にとっては、そこの商品についてよく知らないので、価値の判断をするのが難しいですよね。
ですので結局は、この2つの心理の中間となる真ん中の金額の商品を選びたくなる傾向にあるのです。
逆にあなたの商品を一度でも購入したことがあるお客さんは、すでにあなたの商品価値を理解しているので、その価値にお客さんが満足しているのであれば「松」という高額商品を購入する可能性が高くなります。
ここで重要なことは選択肢が「3つ」であるということです。
2つの選択肢では安い方がお得に感じるため、購入者の約7割が安い方を買うというデータがあります。
また、逆に商品数が4つ以上の場合、「買わない」という選択肢が加わり、
選ぶことから離脱してしまう確率が上がってしまいます。
以前に別のブログでも書きましたが、バリエーションなどの選択肢が多すぎると、人は選んだり考えたりすることが億劫になってしまう傾向にあります。
そのため、「買わない」という選択肢を選んでしまう可能性があります。
あなたがマクドナルドでポテトを買うとき、(SS,S,M,L,LL,XL)の5種類があったら、見ただけで買う気がなくなりませんか?
では、この法則をあなたの商品に活用するにはどのように価格設定すればよいのでしょう?
まずは、真ん中の価格となる「竹」の位置にあなたが一番売りたい商品を置きます。
仮に一番売りたい商品の価格が5000円だとしましょう。
その商品を買ってもらうためには
- 「松」の位置に9900円
- 「梅」の位置に3900円
というふうに金額を設定します。
ここでポイントが3つあります。
まず1つ目のポイントは、松竹梅の商品がすべて似ているものであることです。
全く違う商品だと比較もされない可能性があります。
例えば、あなたがTシャツ売りたいとします。
一番売りたいTシャツを「竹」の位置に設定し、アクセサリーを「梅」の位置に設定しても比較対象にはなりません。
これでは、松竹梅の法則にならないということです。
あくまで類似商品であり、もしくはそれに近い商品で松竹梅を設定しましょう。
2つ目のポイントは『松:竹』の価格を『竹:梅』の価格に比べて少し離すことです。
先ほどの例に戻ると、
- 松→9900円
- 竹→5000円
- 梅→3900円
のような価格設定になります。
「松」を「竹」の価格から少し離すことで「松」の商品に高級感を与え、満足感も高まります。
逆に「梅」と「竹」の価格を近づけることによって、「梅」の商品を購入しようと考えているお客さんも「もう少しお金を出せば良い商品が買える」と、検討する可能性が高まります。
そして最後の3つ目は、商品を見せる順番です。
人間には「知覚のコントラスト」という原理が働いていて、最初に見る数字を基準とする性質を持っています。
そのため、最初に見る数字によって後に見る数字の印象が変わってきます。
インターネットで商品を販売する場合に、この心理を考慮すると、最初に「松」の商品を見せ、次に「竹」の商品を見せることにより、安く感じやすくなります。
「竹」の商品のみでは高く感じてしまう価格でも、この「松」の商品があるからこそ、お得に感じるというわけです。
逆に「梅」の商品から見せるパターンもあります。
これは広告やチラシでよく活用されるやり方で、安い「梅」の商品でお客さんを引きつけておき、
実際にお店へ見に来ると、「竹」の商品に目移りしてしまい、ワンランク上の商品を買ってしまうという心理方法です。
どちらの方法に効果があるかは、商品や価格帯によっても変わってくると思います。
ですので、テストしてお客さんの反応を見ていくことが前提になるかと思います。
ですが注意が必要なのは、松の商品が本当に竹の商品よりも価値の高い商品であるということです。
松の商品を買ったお客さんに「思ったより価値のない商品だった」と思われないように、価格以上の価値ある商品を提供するようにしましょう。
ネットショップの商品価格設定をする際には、これらをぜひ参考にしてみてください。
https://starting-marketing.com/handmade/p35/
ネットショップに必要なこと
ネットショップを続ける上で絶対に必要になってくることが「ブランディング」をすることです。
おそらくブランディングをしなければ、これからネットショップの業界だけではなく、何かを販売するという商売の世界で生きていくことは難しいです。
多くの人にショップを知ってもらい、そして多くの人に購入してもらうには、まずはあなたのことを知ってもらう必要があります。
売り上げアップのためにも、少しずつブランディングの知識を深めていきましょう。