USPとは何か?|意味と役割の説明|USPのメリット|を理解しよう!

USPって何?意味・役割・使い方を事例で解説

USPとは何か?|意味と役割の説明|USPのメリット

USPの意味とは?

「あなた(お店や会社)の強みは何ですか?」と、聞かれることが最近は多くなってきていませんか?その答えとなるのが「USP」。Unique-Selling-propositon(ユニーク・セリング・プロポジション)の頭文字を取ったものです。

日本語に直訳すると「独自」の「売り」の「提案・主張」となります。でも、直訳だけでは本当の意味まではよくわからないはず・・・。

何故今、USPが必要とされているのでしょうか?ここでは、USPの意味と、その役割、そしてUSPが必要とされる理由・メリットを、わかり易くお伝えします。

USPの歴史

最近特に注目を集めているUSPは、いつ生まれたものなのでしょう?3年前?いや、5年ぐらい前から言い出されてきているので、10年ぐらい前に生まれたコトバのようにも思えます。

実はUSPの歴史はもっと古く、今からおよそ50年前、1960年代にアメリカのコピーライター、ロッサー・リーブス氏が提唱した概念です。その後マーケティングの第一人者、ジェイ・エイブラハムがこの考え方を掘り下げて拡めていったのですが、そもそもの発祥は、もう半世紀も前だったのですね。

USPの定義・3つの条件

では「独自」の「売り」の「提案・主張」とはいったい何を指すのでしょう?例えば「私のウリは、いつも笑顔で生活していることです」とか「私は20年間毎年元旦に富士山に登って初日の出を見ています」というのは、USPとなるのでしょうか?

上記のロッサー・リーブス氏が当時掲げたUSPの定義は次の3点です。

・USPの定義 その①  【消費者に対する提案でなければならない】(顧客目線)

USPは、単なる自己主張のメッセージではなく、その主張が、顧客や消費者のためになることでなければならないと言っています。つまり「独り善がり」ではダメですよということで、この点から「笑顔生活」も「20年間の富士山」もUSPにはならないことが解かります。

・USPの定義 その②  【独自なものでなければならない】(独自性)

実はこの「独自」というのは絶対的なものではなくて、あくまで「競争相手が提案したり、示したりしていない」という点が重要です。後述しますが、同じサービスを提供していても、消費者にそれを知らしめるメッセージが『初めて』であるならば、それはUSPといえます。

・USPの定義 その③  【多くの人に響くメッセージは存在しない】(絞り込み)

ここで注意してほしいことは、強烈なメッセージに仕上げるには、絞込みが必要だという点です。

誰にでも響くようなメッセージは逆に訴求力を持ちません。
競合優位だけで考えていたら絞込みはできないのです。なぜなら「絞込み=切捨て」である以上、総合的な検討を経ない限り、顧客を切り落とす「勇気」が得られないからです。

多くの消費者に喜ばれる商品やサービスを追求してしまうと、結果としてインパクトがなく、つまらないものとなってしまいます。自分が提供するユニークな価値を求めてくれる一部の消費者を喜ばせることがとても重要です。

有名なUSPの事例

「独自」の「売り」の「提案・主張」と言われても、あるいは「顧客目線」とか「インパクト」と言われても、なかなかピンと来ない人も多いと思います。

ここでは、有名なUSPを例に挙げて、USPというものをおさらいしてみましょう。

・有名なUSPの事例 その① 【ダイソン】

『吸引力が変わらない、ただ一つの掃除機』

ダイソンの掃除機の売りは、それまで一般的だった紙パックのゴミフィルターを取り除いたことです。フィルター詰まりによる吸引力の低下が無いということを訴求すると同時に「いつもフィルター替えが面倒」だと不満に思っていた人に、ベネフィットを強烈に届けたわけです。

このUSPによって、ダイソンの掃除機は通常の倍の価格であるにもかかわらず、大ヒット商品となりました。

・有名なUSPの事例 その② 【M&M】

『口の中だけで溶けるチョコレート 手では溶けません』

今までチョコレートは、子どもが手で持つと少し溶けることで、手についたり、その手のせいで洋服が汚れてしまうという、母親共通の悩みがありました。それをこのUSPは、「悩みが一気に解決する!」メッセージとして、何百万もの母親の心を刺したのです。もちろんこのチョコレートの売上は爆発的に伸びました。

・有名なUSPの事例 その③ 【アップル ipod】

『ポケットに1000曲のミュージックライブラリを』

ipodが登場するまでにも、ポータブルなミュージックプレーヤーは存在していましたが、曲数は多くて100曲前後。しかもポケットに入るほどのコンパクトさはまだありませんでした。そんな時代に、これだけの機能を備え、あの圧倒的なデザインの斬新さとお洒落さを併せ持った商品の特徴を見事なまでに、ストレートに表現したUSPです。

・有名なUSPの事例 その④ 【ドミノピザ】

『熱々でおいしいピザをお宅まで30分でお届けします。間に合わなければ代金はいただきません』

最も有名なUSPの一つが、このドミノピザです。当時のピザは注文して配達されるまでに1時間前後かかっていたそうです。「30分で作りたてのピザが届く」「もし届かなければ料金はかからない」というこのUSPで、消費者は、明確な約束事を提示されたことになります。元々は小さなピザ屋さんだったドミノピザは、このUSPで一気に人々の中でNo1のピザ屋になりました。

少し解説を加えると、「30分でお届けする」ということは、他のお店でもやろうと思えば出来るサービスだったようです。なので、後発組も同様のサービスを直ぐに開始したようですが、ドミノピザの地位は下がらなかったらしいです。

「最初に宣言したドミノピザ」が人々の中では「唯一・独自」として印象付けられてしまったわけです。先の定義で述べたように、独自性は何も「ただ一つ、自分しか出来ない」という狭い定義ではなくて、「真っ先に」「誰よりも強く」「人が言わなかったこと」を提案・主張することでも充分にUSPとなるのです。

なぜUSPが必要なのか? USPの5つのメリット

あらためて何故今、USPが必要なのでしょうか?それには代表的な次の5つの理由、いわゆるUSPのメリットがあるからです。

・USPが必要な理由・メリット その①  【知ってもらいやすく、覚えてもらいやすくなる】

ビジネスに限らず、現代の暮らしの中では、あらゆる情報が溢れています。それは毎日更新され、毎日淘汰されていく状態です。一説によると、私たちの視界に入ってくる広告は一日に約5万点あるそうです。瞬間的に目に触れるものや、新聞やテレビに限らず、スマートフォンから流れる情報量は、私たちが生活するために必要な量をはるかに超えています。

その中でアナタの商品やサービスを知ってもらい、覚えてもらうには、消費者にストレートに、強烈に届く、USPが必要なのです。でなければ、アナタの商品やサービスはその他の情報洪水の中で埋もれて流されてしまうでしょう。

・USPが必要な理由・メリット その②  【選んでもらい易くなる】

消費者は、毎日何かを選び、購入するという行為を繰り返していますが、そのタイミングの度に全ての情報を確認して比べることは不可能です。仮に、もし比べることが出来ても、それは相当なストレスを感じることでしょう。

その中でアナタの商品やサービスを知ってもらい、さらに覚えてもらうためには、消費者にストレートに、そして強烈に届く、USPが必要なのです。

出来るだけノーストレスで、いち早く、欲しいものを選びたいとき、USPで覚えている商品やサービスを選ぶことは自然なこととなります。いわゆる今の言葉で言えば「脳内検索」されるということですね。

・USPが必要な理由・メリット その③  【口コミに乗り易くなる】

人は「良いもの」を知ると人に伝えたくなります。喜びを共有したいというのは一種の本能のようなものです。USPが明確なら、先の「覚えやすく」「選びやすい」のであれば、人に伝えるときも、簡単にそれが出来ます。口コミに乗りやすくなるわけです。

・USPが必要な理由・メリット その④  【セールスが不要になる】

一番優良な広告は口コミだと言われています。それは伝達の速さや拡がりの大きさもありますが、別の視点では「コスト」がかからないという点があげられます。自分でセールスをする必要がなくなってくるのです。これは商品やサービスを提供する立場の人たちの理想の姿と言えますね。

・USPが必要な理由・メリット その⑤  【リピートされる】

先のメリット①からメリット④が連動するとどうなるのか?と言えば、その商品が必要なタイミングになれば、また同じように買ってもらえることになります。ドミノピザで言えば、「今日は何となくピザが食べたいな」と感じた人は、かなりの確率で「ドミノピザ」に電話をすることになります。実はこの5番目のリピート率のアップが、USPの最大のメリットだと言えます。

まとめ

USPは、売り手にとっても、買い手にとっても、必要なものです。

アナタがこれから商品やサービスを提供しようとするのであれば、是非USPを考えてみてください。

【私は〇〇〇〇のような人に〇〇〇〇の助けとなる商品(サービス)を届けることができます。しかも他の人よりも〇○○○の点で優れています】

この〇〇〇〇を見つける事が出来れば、アナタのUSPは完成です!

 

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