サブリミナル効果とは?意味や種類・使い方|事例を使って徹底解説

サブリミナル効果とは?
意味をしっかり理解して心理学に詳しくなろう!

サブリミナル効果とは?意味や種類・使い方|事例を使って徹底解説

サブリミナル効果の意味とは?

サブリミナル効果は、人間の意識と潜在意識の境界領域下に刺激を与えることで表れるとされる効果です。視覚、聴覚、触覚の3つのサブリミナルがあるとされています。

簡単に言うと、刺激が短いがゆえに意識としては認識することができないが潜在的にある程度の何らかの影響を与えることができます。

つまり普通の映像の中に画像を意識として確認できないけど潜在的に確認できる程度の時間、挿入することで、何らかの効果を得ようとしているわけです。

ただサブリミナル効果は心理学の世界で盛り上がっているだけで、科学的な根拠はありません。

では過去の事例を見てみましょう。

サブリミナル効果の事例

サブリミナル効果とは?意味や種類・使い方|事例を使って徹底解説

ポップコーンを食べろ

アメリカの市場調査業者のジェームズ・ヴィカリーは1957年に映画「ピクニック」の上映中に1/3000秒で「ポップコーンを食べろ」、「コーラを飲め」というメッセージを5秒ごとに5分間、二十映写しました。当然1回のメッセージは1/3000秒しかないので「何か文字が見えた」という意識すらないでしょう。しかし、潜在的に訴えるものがあり効果はありポップコーンは57.5%、コーラは18.1%、売上が増加しました。ただ現在では実験の信憑性が問われており、のちの同じ状況を再現し実験でも効果を確認することはできませんでした。

なかには実験自体が行われていないのではないかという専門家の意見もあります。

今すぐお電話を

先ほどの「ポップコーンを食べろ」実験の信憑性を確かめるために翌年カナダの放送局CBCが「クローズアップ」という番組で再実験を行いました。内容としては番組の放送時間を通じて352回にわたり「今すぐお電話を」というメッセージを流しました。結局、電話はかかってきませんでした。

ただ、「ポップコーンを食べろ」実験を知っていた視聴者から「喉が渇いた」、「おなかがすいた」などと言った電話がかかってきました。

また何か感じたことがあったら手紙を出すように呼びかけたが、放送局が意図した内容の手紙は一つもありませんでした。

この実験では「ポップコーンを食べろ」実験の信憑性を確認することはできませんでした。

サブリミナル効果は本当か?

サブリミナル効果とは?意味や種類・使い方|事例を使って徹底解説

ここまで読んだ方は「サブリミナル効果は効果がないのでは」と思われたでしょう。しかし、効果が確認された実験もあります。

ニューヨーク大学の実験ではサブリミナル効果が喫煙行動に影響を及ぼすことがわかりました。
内容は喫煙者集めて彼らに1か月間、禁煙をしてもらいました。
また彼らを2つに分けて、片方のグループには禁煙期間中、一定の頻度で喫煙しないように禁煙を応援するメッセージを視聴させました。
このメッセージにサブリミナル刺激が含まれています。

1ヶ月後、メッセージを視聴しなかったグループの禁煙成功率は13%に対し、メッセージを視聴したグループは禁煙成功率66%にもなりました。
これは応援メッセージにより禁煙が後押しされたという見解がされています。

他の実験では、男性を対象として女性の裸体の画像を1/30秒で22回挿入した9分間の動画を見せたところ、女性の裸体の画像を挿入しなかった動画を見せた時に比べ、被験者の発汗量に変化が起きたという内容の実験があります。

また、実験ではありませんがある政治家のポスターに「SEX」の文字が顔のしわに溶け込むように書き込まれており、多くの人がそのポスターを長期間にわたり覚えていました。

やはり性的なものは本能に訴えるものがあるのでしょうか。

サブリミナル広告の禁止へ

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これらの実験によりサブリミナル効果の知名度が上がるとともに、サブリミナル効果を警戒し始めました。
1974年にはアメリカ・連邦通信委員会で公聴会が開かれ、その結果サブリミナル広告は「公の利益に反する」とされ禁止されました。

また日本では1995年にNHKは番組基準で「通常知覚できない技法で、潜在意識に働きかける表現はしない。」と定め、1999年には日本民間放送連盟が「視聴者が通常、感知し得ない方法によって、なんらかのメッセージの伝達を意図する手法(いわゆるサブリミナル的表現手法)は、公正とはいえず、放送に適さない。」と定めサブリミナル広告を禁止しました。

『シティーハンター3』

100トンハンマーでおなじみの北条司氏原作の大ヒットアニメ『シティーハンター3』第11話の再放送(19891224日)でオウム真理教・麻原彰晃代表の顔写真が1コマだけ挿入されていることが19955月に報道されました。

当時のテレビアニメでは、録画してコマ送りしないと見えないようなカットを1コマだけ挿入することがあり、多くの場合は別の漫画の登場人物や落書きを挿入する悪ふざけとして行われてきました。そしてそれは一部のコアなファンが録画をしてコマ送りをして探すという一種のファンサービスという側面も持ち、他の漫画の登場人物であっても特に何ら問題として上がるようなことはありませんでした。

しかし当時、オウム真理教は19946月の松本サリン事件や19953月の地下鉄サリン事件で世間を恐怖に陥れていました。そのためサブリミナル効果として問題視されたのです。

この件を受け『シティーハンター3』は厳重注意を受け謝罪していましたが、番組が放送された1989年当時のオウム真理教は翌年2月に行われた衆議院選挙に信者が出馬することが話題となったころであり、表面上はさほど危険な団体ではありませんでした。また、この時の選挙用のチラシが挿入されました。

この事件以降、関係のないコマを挿入するアニメはほとんど見受けられなくなりました。なお通常アニメでは1秒間に24枚程度のコマを挿入します。またこの画像は1991年頃に削除されており、現在の再放送などでは確認できません。

オウム真理教・麻原彰晃代表の顔写真の挿入はあくまでもお遊びで行われたものです。

アメリカ大統領選挙

2000年の共和党・ブッシュ氏と民主党・ゴア氏が争った2000年のアメリカ大統領選挙では、ブッシュ氏のテレビコマーシャルでゴア氏の映像の上に、「RATS」の文字が一瞬映りました。「RATS」とは「ならず者」という意味です。当然、サブリミナル効果を狙っているのではないかと問題視されましたが、実際は「官僚」を意味する「BUREAUCRATS」の最後の4文字がわずかながらに先に映ったというのが真相でした。

聴覚のサブリミナル効果

サブリミナル効果は最初の説明の通り、視覚だけでなく聴覚にも効果があります。この実験ではアメリカとカナダの約50のデパートで店内のBGMとともに万引き、従業員の不正を防止するためのサブリミナル効果をもたらすメッセージを流しました。結果、万引きと従業員の不正被害が37%減少したデパートもありました。

スプラリミナル効果

サブリミナル効果に似たものにスプラリミナル効果というものがあります。

サブリミナル効果は無意識のうちに効果を与えますが、スプラリミナル効果はテレビなど意識のあるうちに見聞きした情報が行動に影響を与えます。おなかがすいたときに少し前に見聞きした食べ物が食べたくなったりすることです。

なおスプラリミナル効果は何ら規制されているものではありません。

まとめ

サブリミナル効果とは?意味や種類・使い方|事例を使って徹底解説

ここまでサブリミナル効果の例について紹介しました。
サブリミナル効果は心理学の世界で盛り上がっているだけで、科学的な根拠はありません。
またサブリミナル効果は悪用防止のためテレビ放送では禁止されているのであまり使える機会は少ないかもしれません。
しかし使う機会があれば様々なことで役に立つかもしれません。ただ悪用は厳禁です。

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